念願だった自宅のフルリノベーションが終わり、新しいキッチンや広々としたリビングでの生活が始まったとき、私は達成感でいっぱいでした。しかし、その後に控えていた確定申告の重要性を、当時の私は全く理解していませんでした。工事請負契約書や領収書の束を整理しながらも、確定申告の時期に仕事が多忙を極めたため、「還付金なんて数千円程度だろう」「手続きが複雑で平日に税務署へ行く時間もないし、今回は諦めよう」と安易に考えてしまったのです。しかし、一年後にリフォームを終えた友人と話をしていたとき、その考えが大きな間違いであったことに気づかされました。友人は同じような規模のリフォームを行い、確定申告をしたことで二十万円近い所得税が戻ってきたというのです。さらに、その後の住民税も安くなったと聞き、私は血の気が引く思いでした。慌てて自分で計算してみたところ、私の場合も十数万円の還付を受けられるはずだったことが判明しました。リフォーム費用を少しでも削るために複数の業者を比較し、数十円単位の節約を積み重ねてきたというのに、たった数時間の事務作業を怠っただけで、それまでの努力をはるかに上回る金額をドブに捨ててしまったのです。さらに、私は親から資金の一部を援助してもらっていたのですが、その非課税特例の申告も忘れていました。幸いにも税務調査が入ることはありませんでしたが、もし指摘されていれば多額の贈与税を請求されるリスクがあったことを知り、震えが止まりませんでした。還付申告は五年前まで遡れると聞き、私は必死に当時の書類をかき集めて遅まきながら申請を行いましたが、必要な「増改築等工事証明書」を建築士に再発行してもらう手間や手数料がかかり、最初からやっておけばどれだけ楽だったかと痛感しました。申告をしないということは、国からのプレゼントを拒否するだけでなく、自分の財産管理の甘さを露呈することでもあります。これからリフォームをする方には、工事が終わってからが本当の正念場だと言いたいです。契約書の一番上に「確定申告を忘れない」と大きく書いておくべきです。一度の手間を惜しんだことで味わった後悔は、新しい壁紙を見るたびに私の心をチクりと刺しました。皆様には私のような愚かな失敗をせず、正当な権利を確実に行使してほしいと心から願っています。