お風呂のリフォームにおいて、見積書には現れない隠れた費用が発生するケースは少なくありません。現場の指揮を執る立場から言わせてもらえば、最も頻繁に遭遇するのは解体後の下地の腐食です。特にタイル貼りの在来工法のお風呂を壊した際、長年の漏水によって土台の木材が腐っていたり、シロアリの被害に遭っていたりすることがよくあります。これらは表面からは確認できないため、壁を剥がして初めて判明します。この補修作業には、数万円から十数万円の追加費用がかかることがありますが、これを無視して新しいお風呂を設置することは、将来の安全性を考えると不可能です。また、電気容量の不足も意外な追加費用の要因になります。最近のリフォームでは、浴室暖房乾燥機や床暖房、高出力の照明を導入することが一般的ですが、古い家では分電盤の容量が足りず、幹線を引き直したり分電盤そのものを交換したりする必要が出てきます。これを知らずにリフォームを進めるると、お風呂を使っている間にブレーカーが落ちるという不便な事態を招きかねません。事前の調査で電気の基本容量を確認しておくことが、後からの予算オーバーを防ぐコツです。さらに、マンションの場合は、既存の換気ダクトが劣化していたり、梁の出っ張りが新しいユニットバスの高さと干渉したりすることもあり、特殊な加工費が発生することもあります。こうした予期せぬ出費に備えるためには、あらかじめ総予算の十パーセントから十五パーセント程度の予備費を確保しておくことを強くお勧めします。誠実な業者は、あらかじめ下地の状況が予測できないことを説明し、もし補修が必要になった場合の概算費用を伝えてくれるはずです。逆に、どんな状況でも追加費用は一切かからないと言い切る業者は、必要な補修をせずに蓋をしてしまうリスクがあるため、注意が必要です。目に見える華やかな設備に予算を使い切るのではなく、住まいの骨組みを守るための見えない部分に予算の余裕を残しておくことこそが、本当の意味での成功するリフォームに繋がります。長く安心して使い続けるために、基盤となる部分への投資を惜しまないでください。
現場監督が語るお風呂リフォームの隠れた費用