私は今、築年数の経ったアパートに住んでいますが、入居時から気になっていたのが押入れの奥や窓際の壁紙に見えるうっすらとしたカビの影でした。管理会社に相談しても「生活環境によるものだ」と言われ、抜本的な対応は望めそうにありません。そこで、退去時に原状回復することを前提に、自分で貼って剥がせるタイプの壁紙を使って補修することにしました。もしこれが持ち家であれば、もっと徹底的に下地から直せるのですが、賃貸という制約の中でいかにカビの影響を抑え、清潔な空間を作るかが私の課題でした。まず最初に行ったのは、既存の壁紙の上からでも使える強力な防カビ除菌剤での徹底的な洗浄です。完全に死滅させるのは難しいかもしれませんが、菌の活動を最小限に抑えることが先決でした。その上で、防カビ加工が施されたシールタイプの壁紙を上から丁寧に貼っていきました。作業を始めてみると、壁のわずかな歪みやコンセントの周りの処理に手こずりましたが、だんだんとコツが掴めてくるのが面白かったです。剥がせるタイプを選んだおかげで、失敗しても貼り直すことができ、精神的なハードルは低かったです。すべての作業を終えてみると、部屋の中の空気が以前よりも軽くなったような気がしました。カビの黒ずみが見えなくなるだけで、これほどまでに気分が明るくなるとは思いませんでした。また、今回自分で張り替えを行ったことで、どの場所に湿気が溜まりやすいのかを身をもって理解することができました。今ではその場所に湿気取りを置いたり、こまめに換気をしたりと、カビを寄せ付けないための新しい習慣が身につきました。賃貸であっても、自分の住む場所を自分の手で心地よく変えていくことは、毎日の生活に前向きなエネルギーを与えてくれます。業者に頼むほどの予算はなくても、数千円の材料費と一日の休日があれば、これほどまでに豊かな変化を手に入れられる。DIYの持つ力を、改めて実感した貴重な経験となりました。