リフォームの見積もりを数社から取り、数万円の差を気にして一生懸命に価格交渉をする姿はよく見られますが、そうして苦労して勝ち取った値引きも、その後の確定申告をしなければ一瞬で無意味なものになってしまいます。多くの施主は「工事代金を安くすること」には熱心ですが、「支払った後の税金を取り戻すこと」には驚くほど無頓着です。しかし、実際にはリフォーム工事の価格交渉で数十万円を引き出すのは至難の業ですが、確定申告によって数十万円の還付を受けることは、制度の要件さえ満たしていれば誰にでもできる確実な節約術です。例えば、百万円の値引きを求めて数ヶ月間交渉を続けるよりも、適切な省エネ改修を行い、確実に確定申告をする方が、実質的な負担額を減らす近道になることが多々あります。もし申告をしないままでいれば、リフォームの総コストは「工事代金そのもの」になりますが、申告をすれば「工事代金マイナス還付金」が実質のコストになります。この差を意識しないと、知らないうちに他の人よりも割高な料金でリフォームを行っていることと同じ状態に陥ります。特に最近は建材費の高騰で工事費そのものが上がっていますが、国もそれを支援するために窓リノベ補助金や子育てエコホーム補助金など、多額の支援策を打ち出しています。これらの補助金と確定申告による税額控除を併用すれば、実質的な負担を三割から四割近く減らせるケースもあります。それなのに、最後の最後で確定申告というプロセスを「面倒」の一言で避けてしまうのは、リフォームという長期的な投資における致命的なミスです。事務作業に割く数時間の時給を計算してみてください。仮に五時間の作業で二十万円の還付が得られるなら、その時給は四万円です。これほど高効率な仕事は日常には存在しません。リフォームは家が綺麗になったら終わりではなく、税務署への報告と還付金の受け取りまでがワンセットの工程です。この最後のピースが欠けてしまうと、リフォームの満足度は経済的な面で大きく損なわれることになります。領収書や証明書は大切に保管し、カレンダーの二月には大きく印をつけておきましょう。面倒を避けた結果として失うものの大きさを考えれば、申告書を作成する重い腰も少しは軽くなるはずです。
面倒な確定申告を避けた結果リフォーム費用が割高に