冬の冷え込みが厳しくなったある朝、寝室のベッドを動かして掃除をしようとした私は、壁の一面に広がる黒い斑点を見て言葉を失いました。加湿器の使いすぎと家具の配置による風通しの悪さが重なり、壁紙にひどいカビが発生していたのです。業者に依頼することも考えましたが、インターネットで調べると自分でも張り替えができるという情報を知り、一念発起して自力での補修に挑戦することにしました。ホームセンターで生のり付きの壁紙と施工道具セットを購入し、私の孤独な戦いが始まりました。まず驚いたのは、表面に見えている以上のカビが壁紙の裏側に潜んでいたことです。バリバリと古い壁紙を剥がしていくと、裏地は真っ黒に変色しており、鼻をつくカビの臭いが部屋中に漂いました。私は防護マスクを二重にし、カビ取り剤を下地に塗り込んで徹底的に菌を死滅させました。この工程が一番大変で、何度も雑巾で拭き取り、数日間かけて下地をカラカラに乾かしました。下地を乾かしている間は寝室が使えず不便でしたが、中途半端に作業を進めて失敗したくないという思いで耐えました。いよいよ新しい壁紙を貼る段階になり、最初は緊張で手が震えましたが、生のり付きの壁紙は貼り直しが効くため、不器用な私でもなんとか形にすることができました。天井との境目をカッターで切る瞬間の緊張感や、ジョイント部分をローラーで馴染ませていく作業は、まるで工作をしているような没頭感がありました。完成した壁は以前のどんよりとした雰囲気から一変し、真っ白で清々しい空間に生まれ変わりました。今回の体験を通じて学んだのは、カビの恐怖と、それを克服した時の達成感です。何よりも自分の家を自分の手で守ったという自信は、どんな高価な家具を買うよりも大きな満足感を与えてくれました。今では毎日寝室の壁を眺めるのが楽しみになり、湿気対策にも人一倍気を使うようになりました。もしカビに悩んでいる方がいるなら、勇気を出して一歩踏み出してみることを心からお勧めします。
寝室の壁紙に生えた黒カビを自力で直した記録