リフォームの「何から始めるか」という問いに対する次の重要なステップは、具体的な「予算設定」です。理想の暮らしを思い描くことは大切ですが、費用という現実的な制約の中で、どのように夢を実現するかを考える必要があります。賢い資金計画を立てることは、リフォームを成功させる上で欠かせない要素です。 まず、リフォームにかけられる「総額」を明確にしましょう。自己資金で賄うのか、それともリフォームローンを利用するのか。住宅ローンを組んでいる場合は、現在の金融機関に相談して借り換えや増額が可能かを確認することもできます。リフォームローンの金利や返済期間は金融機関によって異なるため、複数の金融機関を比較検討することをお勧めします。この段階で、無理のない返済計画を立てることが、リフォーム後の生活を圧迫しないための重要なポイントとなります。 次に、総額の中から「予備費」を確保することを忘れてはなりません。リフォーム工事では、既存の建物を解体してみて初めて分かる劣化や問題が発見されることがあります。例えば、壁の内部に予期せぬ腐食が見つかったり、配管の劣化が進んでいたりするケースです。このような場合、当初の見積もりには含まれていなかった追加工事が必要になることがあります。そのため、総費用の1割から2割程度の予備費を見込んでおくことで、予期せぬ出費にも慌てずに対応でき、精神的なゆとりを持ってリフォームを進めることができます。 そして、ステップ1で明確にした「リフォームの優先順位」がここで生きてきます。予算には限りがあるため、すべての理想を叶えることは難しいかもしれません。その時、「これはどうしても譲れない」というポイントと、「予算次第では妥協できる」というポイントを明確にしておきましょう。例えば、水回りの設備は最新のものにしたいが、壁紙はスタンダードなもので良い、といった具合です。優先順位をつけておくことで、リフォーム会社との打ち合わせの際に、予算内で最大限の効果を得るための調整がスムーズに行えます。 適切な予算設定と資金計画は、リフォームを現実的なものにするための土台となります。曖昧なまま進めると、途中で計画が頓挫したり、後悔する結果になったりする可能性もあります。お金に関する計画は、専門家にも相談しながら慎重に進めるようにしましょう。
予算を決めて賢くリフォーム、失敗しない資金計画の立て方