実家で一人暮らしをする母が、玄関のわずかな段差でつまずきそうになったと聞いたとき、私はすぐさま玄関のバリアフリーリフォームを決意しました。幸い大事には至りませんでしたが、これが大きな怪我につながっていた可能性を思うと、今でも胸が冷たくなります。高齢者にとって、住み慣れた家の中にも危険は潜んでおり、特に玄関は転倒のリスクが高い場所の一つです。リフォーム会社と相談し、私たちが最優先で取り組んだのは、玄関の上がり框の段差解消でした。従来の高い段差をなくし、代わりに緩やかなスロープを設置することで、足腰が弱くなった母でも安全に家の中へ入れるようにしました。さらに、壁には縦型の頑丈な手すりを取り付けました。これにより、靴を履いたり脱いだりする際の立ち座りの動作が格段に楽になり、ふらつきによる転倒の心配もなくなりました。ドアも、従来の開き戸から、軽い力で開閉できる上吊り式の引き戸に変更しました。車椅子を利用することになった将来の可能性も考え、開口部を広く確保できる設計にしてもらったのです。引き戸は、ドアを開ける際に体を前後に動かす必要がないため、杖を使っている母にとって非常に使いやすいと好評です。また、夜間の安全を考慮し、足元を優しく照らす人感センサー付きの照明も新たに追加しました。リフォームが完了し、新しくなった玄関を見た母は、「これなら安心して出かけられるし、家に帰ってくるのも怖くない」と、心から喜んでくれました。このリフォームは、単に物理的な障壁を取り除いただけではありません。母の外出への意欲を取り戻し、自立した生活を続けたいという気持ちを支える、大きな精神的な支えにもなったのです。家族の安全と安心を守るための玄関リフォームは、何物にも代えがたい価値のある投資だと、私は確信しています。
高齢の親のために決めた玄関のバリアフリー化