築三十年の中古マンションを購入し、自分たちらしい空間にするためのフルリフォームを決意したあの日から、私たちの長い旅が始まりました。最も大きな課題は、三ヶ月という長期間のリフォーム期間をどこで過ごすかということでした。部分的なリフォームであれば住みながらの工事も可能ですが、スケルトン状態にして間取りを全て変える工事だったため、私たちは近所の短期賃貸マンションを借りて仮住まいをすることにしました。リフォーム期間中の生活は、想像以上に慌ただしく、しかしどこか非日常的なワクワク感に包まれていました。工事が始まると、週末ごとに現場を訪れ、壁が取り払われ、配管が新しくなり、少しずつ形になっていく様子を眺めるのが楽しみでした。しかし、当初の予定通りに進むことばかりではありませんでした。解体後に梁の形状が想定と異なっていることが判明し、キッチンの吊り戸棚の設計を急遽変更しなければならない事態に直面したのです。これによってリフォーム期間が十日間ほど延びることになり、仮住まいの延長手続きや、引っ越し業者のスケジュール変更に走り回ったことも今では良い思い出です。また、リフォーム期間中は、普段は目にすることのない家の構造を知る絶好の機会でもありました。断熱材がどのように敷き詰められ、電気の配線がどのように張り巡らされているのかを自分の目で確認できたことで、これからの新しい住まいに対する愛着がさらに深まりました。最終的に、仮住まいを含めた約百日間のリフォーム期間を経て、私たちは理想の住まいを手にすることができました。引っ越しの当日、真っ白な壁と木の香りが漂うリビングに足を踏み入れた瞬間の感動は、それまでの不便や苦労を全て吹き飛ばしてくれるほどのものでした。長いと感じていたリフォーム期間も、完成してみれば一瞬の出来事のように思えますが、その過程で一つひとつの部材を自分たちで選び、職人さんと対話を重ねた時間が、この家を本当の意味で私たちの「城」にしてくれたのだと感じています。リフォーム期間を単なる待機時間ではなく、理想を作り上げていくクリエイティブな時間として楽しむことが、満足度の高い家づくりの鍵なのだと痛感しました。
我が家のリノベーション期間と仮住まいの記録