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内壁のひび割れ、コーキングで安心補修
住宅の内壁に現れるひび割れは、見た目の問題だけでなく、時に建物の健全性を示すサインでもあります。特に、軽微なひび割れであれば、コーキング材を用いてご自身で補修することが可能です。ここでは、内壁のひび割れの原因から、コーキング材を使った効果的な補修方法までを解説し、安心して快適な住空間を保つための情報をお届けします。内壁にひび割れが発生する原因は多岐にわたります。最も一般的なのは、建物の軽微な揺れや、気温・湿度の変化による壁紙や下地材の収縮・膨張です。これは「ヘアクラック」とも呼ばれ、幅0.2mmから0.3mm程度の髪の毛のように細いひび割れを指します。窓やドアの開閉による振動が原因で、開口部周辺にひびが入ることも珍しくありません。また、築年数が経つと、下地材の劣化やつなぎ目にひび割れが生じやすくなります。これらの軽微なひび割れであれば、ご自身で補修することができます。しかし、幅0.3mm以上の深いひび割れや、斜めに大きく走るひび割れ、繰り返し発生するひび割れは、構造上の問題を示唆している可能性があり、専門業者への相談が賢明です。軽微な内壁のひび割れ補修には、コーキング材が非常に有効です。コーキング材は、隙間を埋めて気密性や防水性を高める充填剤であり、その柔軟性によって、建物の微細な動きに追随し、ひび割れの再発を抑制する効果も期待できます。内壁に使用するコーキング材としては、水性で塗装が可能なアクリル系や変成シリコーン系が適しています。特に、低VOC(揮発性有機化合物)で環境に優しい製品を選ぶと、室内の空気環境にも配慮できます。シリコーン系は耐水性・耐熱性に優れますが、塗装ができない製品が多いため、内壁補修には不向きな場合があります。コーキング材でひび割れを補修する手順は比較的簡単です。まず、ひび割れている箇所の汚れやホコリをきれいに拭き取り、しっかりと乾燥させます。次に、コーキング材がはみ出さないように、ひび割れの周囲にマスキングテープを貼って養生します。コーキングガンにセットしたコーキング材の先端を、ひび割れの幅に合わせてカットし、ひび割れに沿って均一に充填していきます。充填後は、ヘラや指で表面を平らにならし、完全に乾く前にマスキングテープを剥がします。乾燥後、必要であれば上から塗装をして仕上げます。